




あれは確か、平成18年の夏が近づいているくらいの頃・・・
移住の際に大変お世話になった「四万十市への在住を支援する協議会」(以後:協議会)の
会議の席に、オブザーバとして同席させてもらうことになった日のこと。
地域の有識者など、そうそうたるメンバーが集まり、協議会設立後、数回目の会議が始まった。
当時はまだ設立されてから日も浅く、移住支援の実績も数件程度といったところで、
会議出席者の面々も、口数も少なく淡々と時間が過ぎ去って行った。
というのも、元々この移住支援活動自体、地元建設会社社長のSさんが10年くらい前から
個人的にされてこられたもので、本格的な活動を行っていく為に有識者を集め組織化されたという流れがある。
だからなのか、当時の会議の印象としては、このSさん一人が一生懸命考えておられた様に思う。
このSさんは、若い頃一文無し状態でこの街に戻ってきた時に、この街に大変世話になり、今の自分がある。
だからこの街への恩返しのつもりで、ボランティアで移住支援活動をやっているのだという。
会議中もこのSさんとの温度差は歴然で、出てくる意見はそれはもう消極的なものばかりだった。
といった様な感じで、とても協力的とは言えないものだった。
そして会議の後、Sさんに相談を持ちかけられた。
「どうしたら不安が減り、協力してくれるだろうか。何かいい方法はないか?」と・・・
移住の際お世話になっているので、何とかお力になりたいと知恵を絞り数日間考えた。
当時は、一人の移住者として少しでも地域の役に立とうと河川の清掃など、
ボランティア活動に積極的に参加したりしていたが、一人で参加していても
移住者が参加していることに、誰も気付かないだろうなぁと思っていた。
どうせ参加するのなら、移住者も地域の為に頑張っているということが伝わる方がいい。
そうして以下の様な提案を持って、Sさんに会いに行った。
「移住者を集めて団体を作り、皆でボランティア活動などに参加することで、地域に対してアピールし、
移住者のイメージアップを図る。又、移住希望者に対しては移住の条件の中に、この団体に入り一緒に
活動することを盛り込んで、移住希望者の"関所"的な役割を果たす。」
この提案と以下の3つの背景から"四万十移住者の会・四万人"が誕生した。